急募！クリスマスタヌキ

トナカイたちは焦った。クリスマス目前、サンタクロースが突然タヌキのバイトを募集し始めたからだ。
まさか自分たちの代わりにタヌキにそりを引かせるつもりなのか？そんなことあるはずないと思いつつも、もしクビになったらと考えると気が気ではなかった。
トナカイたちの不安をよそに、サンタの家にはタヌキたちが集まってくる。やがてサンタは数匹のタヌキを連れて倉庫にこもってしまった。
一体何をしているのだろう。居ても立ってもいられないトナカイはこっそり倉庫を覗いてみる。その時ちょうどサンタがタヌキたちにバイトの説明をし始めた。
「SDGs、持続可能な社会づくりに貢献するため私もエコなクリスマスの活動をすることにした。年に一度しか使わないそりに資源を使うのはもったいない。君たちの技術で土に還る『泥そり』を作ってくれないか」
タヌキは困り果てた。
「僕たちは泥舟に乗った経験はありますが泥細工の技術はありません」