海鮮の月
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この古い港町には月を食べれる居酒屋があるらしい。
瀬戸内の凪の夜、海面に映った月に網が掛かると、数万回に一回、獲れることがあるらしい。そんな噂を信じて静かな夜の翌日は、開店前にその小さな漁港の居酒屋の前を散歩する。
そして変哲もない日に、その時は来た。
「海鮮の月あります、先着一名」
開店を待ちわびて、注文した。
出された料理は、イカの刺身の様だった。刺身醤油をつけて食べると、正にイカ。
「これ、本当に海鮮の月?」
と、尋ねると、
「お客さんは、本当に運がいいですね、ご内密に」
と、店主は笑みを浮かべていた。
一品にしては高すぎるお代と敬意をはらい、帰宅の途に就いた。今日は風が出そうだなと、思いながら寝ることとした。
布団に入り枕元のスタンドの灯りを消すと、その指先が淡く水色に光っていた。
瀬戸内の凪の夜、海面に映った月に網が掛かると、数万回に一回、獲れることがあるらしい。そんな噂を信じて静かな夜の翌日は、開店前にその小さな漁港の居酒屋の前を散歩する。
そして変哲もない日に、その時は来た。
「海鮮の月あります、先着一名」
開店を待ちわびて、注文した。
出された料理は、イカの刺身の様だった。刺身醤油をつけて食べると、正にイカ。
「これ、本当に海鮮の月?」
と、尋ねると、
「お客さんは、本当に運がいいですね、ご内密に」
と、店主は笑みを浮かべていた。
一品にしては高すぎるお代と敬意をはらい、帰宅の途に就いた。今日は風が出そうだなと、思いながら寝ることとした。
布団に入り枕元のスタンドの灯りを消すと、その指先が淡く水色に光っていた。
その他
公開:24/12/23 11:21
文章書く練習始めました。アニメ、原作小説、漫画を角度を変えて味わうのが好きです。
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