プロポーズボタン

俺がネトゲ用で使っているコントローラーにはプロポーズボタンがついている。
これは本来、俺がやっている鳥系ゲームで、複雑な求愛ダンスをこれ一つ押すだけで簡単に行えるようにしたものだ。
大小さまざまな動きでオリジナルの求愛ダンスが作れることもあって、中々に面白い。
そんなプロポーズボタンを知らない友人。それを何気なく押した。
すると彼女から電話がかかってくる。
『私と結婚する気がないなら、今すぐ別れて』
まさかの展開に「ちょっと待って」を連呼する友人。それを見て、俺は友人に向けてプロポーズボタンを後押しする。
「…分かった。結婚しよう」
覚悟を決めた友人は彼女にそう伝える。
俺は友人と彼女を祝福した。

…しかし彼女も急だな。なんて思っていると、ネットに結婚に関するとある話題を見つけた。
はは～ん…彼女、さてはこれを見たな。
見事に情報に踊らされた彼女は、友人と一緒に踊りたかったようだ。