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トシオは手についた小麦粉を払って、うん!と伸びをした。この小さな中華料理屋の裏口からたまに覗き見る風景も故郷の仲間たちが羨ましがる都会の風景だ。今日はとりわけきらびやかな服を来た歩行者たちの声が一層機嫌よく上ずっている。ネオンサインの星たちがトシオにも惜しげなくウインクを投げかける。
「おおいトシ坊!飯食え!」
まったく平常通りの大将のダミ声が一気にトシオを現実世界に引き戻した。この見ようによってはトナカイのそりに引かれてそうな風貌をした親父さんはいったいクリスマスというものを知っているのだろうか。
肉まんが作業台の脇で盛大に湯気を立てている。
「いただきまあす!」
トシオはいつものように取ろうとしたその手を止めててっぺんにマスタードを星形に飾り付けた後いつものようにぱくりとかぶり付いた。
「おおいトシ坊!飯食え!」
まったく平常通りの大将のダミ声が一気にトシオを現実世界に引き戻した。この見ようによってはトナカイのそりに引かれてそうな風貌をした親父さんはいったいクリスマスというものを知っているのだろうか。
肉まんが作業台の脇で盛大に湯気を立てている。
「いただきまあす!」
トシオはいつものように取ろうとしたその手を止めててっぺんにマスタードを星形に飾り付けた後いつものようにぱくりとかぶり付いた。
公開:24/12/24 19:50
更新:24/12/24 19:53
更新:24/12/24 19:53
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