殴り合いの秋

季節は秋。ある一人がスーパーでおやつを買おうとウロウロしている。
「やっぱ秋といえばさつまいもでしょ！」「いや、米がいい。おにぎりはどうだ？」
「今取るべきは糖やない、たんぱく質や！。せやからプロテインバーなんてのはどうや？」「パンにしましょう。このスーパーのパンは凝っていておいしいですから。」
秋は食欲の秋とよく言われている。なぜなら味蕾の言い争いが増え、味覚がコロコロ変わるからだ。
味蕾とは、舌の上にあるザラザラとした器官で、味を感じる部分である。成人には約7500個の味蕾があると言われている。
秋は他の季節に比べて短く、気温の変化も急なので、味蕾どうしの喧嘩が増える。この喧嘩が度を超え殴り合いに発展するのも珍しくない。最悪味蕾が死に至ることもあるが、苦手な食べ物がある味蕾が死ぬとその食べ物を克服できることもある。
味蕾たちにとって、「食欲の秋」は「殴り合いの秋」と物騒な季節なのだ。