厄払い埃

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「…ん?何、この光?」

友人の部屋へ上がると、なんだかあちこちキラキラしていた。

「埃だよ」

「埃!?」

凝視してみると、部屋中に光り輝く埃がたしかに積もっていた。

「うちの埃、厄払い埃なの」

「…はぁ?」

「この間、私の留守中に空き巣が入ろうとしたの。でも部屋に上がった瞬間くしゃみが止まらなくなって、物音を不審に思った隣人が警察へ通報して御用。ほら、厄落としとか言って埃は毎年年末に払われるじゃん?だから、自分が厄を払う存在になれば人間から払われなくなると考えたみたい」

…そんな訳あるか!私は目の前を漂う埃を払おうとしっ…っ…ぶぇっーぐじゅんっ!!ありえないくらい豪快なくしゃみを皮切りにくしゃみが止まらない!

「埃を払うなんて、罰当たりなことするからだよ!」

腹が立つほど神々しく輝く埃が、仁王立ちで説教する友人の後光となって、くしゃみが止まらない私を憐れんでいる。
その他
公開:24/12/23 20:16
更新:25/08/12 14:14

ネモフィラ( 更新停止 )

読んだ人に笑顔になってもらいたいという想いから投稿し始めましたが、私の文章ではそういったものが届けられないのだろうなぁと気づかされました。

今は書こうと思うとただただ悲しくなるだけなので、もう投稿することはないかもしれません。
アカウントは残しますがこれ以降浮上することもないかと思います。

短い間でしたが今までありがとうございました!
たくさん学ばせて頂きました。
お元気で。

2025.9

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