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「母さん、僕もお手伝いする!」

「まぁ♪ありがとう」

台所の雪化粧をしていた母ネズミは微笑むと、雪化粧箱から銀色に輝く宝石雪リップを取り出してネズミの坊やに手渡しました。

「ちゅ~も、にぃにとちゅりゅ♪」

「あらあら♪」

母ネズミはふふっと笑い、坊やの後をよちよちついてきた妹ネズミにも宝石雪リップを持たせてあげました。

「二人ともお手伝いしてくれるなんて、パパ嬉しいなぁ!」

玄関の雪化粧をしていた父ネズミも満面の笑みです。

「にぃにと頑張ろうね!」

「うん♪」

二人は小さなお手手を繋いで一緒にクリスマスツリーの前へ行くと、宝石雪リップでキラキラとツリーの雪化粧を始めました。

「みんなでお家を綺麗にして、素敵なホワイトクリスマスにしよう!」

ネズミさん家の煙突から笑い声の四重奏が立ち昇ります。
その幸福な音色に、少し早めについてしまったサンタさんが耳を傾けていました。
ファンタジー
公開:24/12/23 20:14
月の音色 カルテット

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

読んでくれてありがとう!

 

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