四匹のクインテット
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泥棒からお宝をせしめた四匹の音楽隊。再びブレーメンを目指しておりますと、新たな動物が一行に声をかけました。
「素敵な兄さん達、私も入れて下さいな」
猫なで声で喉を鳴らす若いメス猫。金色に光る目は彼らのお宝を見ています。
「仲間は多い方が楽しいよ」
「カルテットならぬクインテットか」
「君はどんな楽器を弾くの?」
ロバ、犬、雄鶏は上機嫌で答えました。このメス猫、実は泥棒の飼い猫で、主人のお宝を奪い返そうと追ってきたのですが、そんな魂胆はつゆ知らず。男たるもの、やはり可愛い女子に弱いと見えます。
「猫ならあたしがいるけどねぇ」
元からいた猫は軽く爪を出しつつ、結局は男どもの言う通り、メス猫を仲間にしてやりました。
道中色々ありながら、ブレーメンへ着いた四匹の音楽隊。
「カルテットに戻ってしまったね」
「一応クインテットだよ……ねぇ?」
猫のつま弾いた五匹目が、ベンと物悲しい響きで答えました。
「素敵な兄さん達、私も入れて下さいな」
猫なで声で喉を鳴らす若いメス猫。金色に光る目は彼らのお宝を見ています。
「仲間は多い方が楽しいよ」
「カルテットならぬクインテットか」
「君はどんな楽器を弾くの?」
ロバ、犬、雄鶏は上機嫌で答えました。このメス猫、実は泥棒の飼い猫で、主人のお宝を奪い返そうと追ってきたのですが、そんな魂胆はつゆ知らず。男たるもの、やはり可愛い女子に弱いと見えます。
「猫ならあたしがいるけどねぇ」
元からいた猫は軽く爪を出しつつ、結局は男どもの言う通り、メス猫を仲間にしてやりました。
道中色々ありながら、ブレーメンへ着いた四匹の音楽隊。
「カルテットに戻ってしまったね」
「一応クインテットだよ……ねぇ?」
猫のつま弾いた五匹目が、ベンと物悲しい響きで答えました。
ミステリー・推理
公開:24/12/23 15:21
ラジオ『月の音色』
月の文学館
テーマ:カルテット
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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