懸賞 賞品「15日」1名様

時を司る神様が気まぐれで懸賞を主催した。賞品は「15日」。当選者は一年の中で自由に15日足すことができるという。
1月2日と3日の間に15日足してお正月休みを長期にしたいと願う者、土曜を増やそうと企む者、大学受験までの日数を稼ごうとする者など、皆それぞれの思いを持って懸賞に応募する。

俺はこの懸賞には興味がなかったが、どこで聞きつけたのか小学生の息子・北斗が急に応募したいと言い出した。
「応募してもいいけど、北斗はなんで15日増やしたいの？」
俺は北斗に問いかける。きっと8月の日数を増やして夏休みを延長したいとかGWを長くしたいとか言うんだろうな。小学生が考えることなんてそんなものだ。
だけど北斗が増やしたいのは全く別の日だった。
「僕は12月25日と26日の間に15日足すんだ！そしたらクリスマスと誕生日のお祝い、別にしてくれるよね？」
俺は12月26日生まれの北斗の切実な願いを知った。