食べ物が出てくる絵本

私は食べ物が出てくる不思議な絵本を持っています。
この絵本から色んな食べ物を取り出しては毎日それを食べています。
ある日それを大人の人に見られました。
大人は絵本から沢山食べ物を取り出すも、完食せずに次の食べ物を取り出していました。
出された食べ物はきちんと完食しなさい。そう教えられなかったのでしょうか？
食べ物を無駄にする大人は絵本を次へ次へと捲っていき、料理を作っている鬼に見つかりました。
鬼は食べ物を無駄にする人を許しません。大人は鬼に絵本の中に引きずり込まれました。
その次のページを見ると、大人は鬼に食べられていました。
私は本を閉じ、また最初のページを開きます。沢山の食べ物が描かれた１ページ目から食べ物を取り出します。
ああ…こっちの世界に来てよかった。絵本の中にいたら、私は鬼に食べられて終わっていたのですから。
鬼の食べ物だった私は絵本から出てきて良かったと心から思っています。