歯垢実験
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学生の時、近所に無口で気味の悪い鈴木という奴がいた。鈴木は黄色か茶色かわからないような物体で詰まった瓶を常に持ち歩いていた。気になった俺はある時、鈴木に聞いてみた。
「その瓶いつも持ち歩いてるけどなんなん?」
「あ、これ、しこう」
「しこう?」
「うん」
「なに、しこうって」
「歯の、歯のやつ」
俺は一瞬、鈴木が何を言っているのか理解できなかったが、右手の人差し指を自分の歯に向けるジェスチャーを見て察した。それと同時に鳥肌が立ち、血の気の引くような気持ち悪さが込み上げてきた。
「…え、なんで?」
俺は引き気味で聞き返したが、鈴木は何も答えず去っていった。この翌日以降、俺の弁当のご飯に茶色いふりかけが乗るようになった。弁当を作っていたのは母親で俺は特に疑問もなく食べ続けていたが、味が全くしないことに疑問を持った俺は母親に出所を聞いてみた。
「ふりかけ?鈴木さんとこから貰ったんよ、おいしい?」
「その瓶いつも持ち歩いてるけどなんなん?」
「あ、これ、しこう」
「しこう?」
「うん」
「なに、しこうって」
「歯の、歯のやつ」
俺は一瞬、鈴木が何を言っているのか理解できなかったが、右手の人差し指を自分の歯に向けるジェスチャーを見て察した。それと同時に鳥肌が立ち、血の気の引くような気持ち悪さが込み上げてきた。
「…え、なんで?」
俺は引き気味で聞き返したが、鈴木は何も答えず去っていった。この翌日以降、俺の弁当のご飯に茶色いふりかけが乗るようになった。弁当を作っていたのは母親で俺は特に疑問もなく食べ続けていたが、味が全くしないことに疑問を持った俺は母親に出所を聞いてみた。
「ふりかけ?鈴木さんとこから貰ったんよ、おいしい?」
その他
公開:24/12/18 10:53
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