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腰まで髪の毛を伸ばした男が手術台に横たわる。力なく天井を眺めた。
「大丈夫です。麻酔から醒めたら全て終わっていますよ」術衣を着た医師が語りかけた。
「ずっと…踏ん切りがつかなかったんです」
「分かります」「なんでこうなったんだろうって。未だに納得できなくて…」
「貴方は以前、カリスマと呼ばれていたそうですね。私共も全力を尽くしますので」
医師の目を見て、分かりましたと男は小さく応えた。
「それでは麻酔の前に最終確認をさせてください」
―全体的な長さはどうしますか
―前髪はどうしましょう
―もみあげは残しますか
それは進化なのか、ある時から人類は毛髪に痛点が発生しハサミを入れると激痛が伴うようになった。
理髪行為に麻酔が不可欠になり、医療行為の一貫として医師によって行われるようなっていた。
麻酔が効き始め薄れる意識の中、かつてのカリスマはその言葉を聞いた。
「では始めます。ハサミ」
「大丈夫です。麻酔から醒めたら全て終わっていますよ」術衣を着た医師が語りかけた。
「ずっと…踏ん切りがつかなかったんです」
「分かります」「なんでこうなったんだろうって。未だに納得できなくて…」
「貴方は以前、カリスマと呼ばれていたそうですね。私共も全力を尽くしますので」
医師の目を見て、分かりましたと男は小さく応えた。
「それでは麻酔の前に最終確認をさせてください」
―全体的な長さはどうしますか
―前髪はどうしましょう
―もみあげは残しますか
それは進化なのか、ある時から人類は毛髪に痛点が発生しハサミを入れると激痛が伴うようになった。
理髪行為に麻酔が不可欠になり、医療行為の一貫として医師によって行われるようなっていた。
麻酔が効き始め薄れる意識の中、かつてのカリスマはその言葉を聞いた。
「では始めます。ハサミ」
SF
公開:24/12/11 23:01
まずは自分が楽しむこと。
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