2
3
「どいつもこいつも邪魔もの扱いしくさりおって!」
老人は独り言ちながら路地裏で見かけた小さなレコード店に足を踏み入れた。
ドアベルが軽快に鳴り、白ひげの店主が顔を上げる。
「いらっしゃい」
「こんなところにレコード店があったとはなぁ」
店内を見渡すと、ジャケットはすべて真っ黒な下地に奇妙なタイトルばかり。
「春の遊園地」「冬の並木通り」「砂浜の子供達」――
極めつけは「姫路城の天守閣」。
「こんなタイトルの曲は知らんぞ」
尋ねると店主は微笑んだ。
「いやいや、あんたの心の中に刻まれた名曲だよ」
老人は気になり、最初に手に取った一枚を購入。
自室のレコードプレーヤーで「春の遊園地」を再生すると――。
「これは…あの頃の…」
懐かしい声と笑い声、失われた家族の記憶。涙が溢れる。
明日、家族を集めて一緒に聴こう。
これは私一人のレコードではない。私たち家族の「Record」だ。
老人は独り言ちながら路地裏で見かけた小さなレコード店に足を踏み入れた。
ドアベルが軽快に鳴り、白ひげの店主が顔を上げる。
「いらっしゃい」
「こんなところにレコード店があったとはなぁ」
店内を見渡すと、ジャケットはすべて真っ黒な下地に奇妙なタイトルばかり。
「春の遊園地」「冬の並木通り」「砂浜の子供達」――
極めつけは「姫路城の天守閣」。
「こんなタイトルの曲は知らんぞ」
尋ねると店主は微笑んだ。
「いやいや、あんたの心の中に刻まれた名曲だよ」
老人は気になり、最初に手に取った一枚を購入。
自室のレコードプレーヤーで「春の遊園地」を再生すると――。
「これは…あの頃の…」
懐かしい声と笑い声、失われた家族の記憶。涙が溢れる。
明日、家族を集めて一緒に聴こう。
これは私一人のレコードではない。私たち家族の「Record」だ。
ファンタジー
公開:24/12/09 21:50
更新:24/12/09 21:50
更新:24/12/09 21:50
SF
青春
家族
作品を読んでいただきありがとうございます!
最近色々な小説を読んでいたら、自分でも挑戦をしたくなりました!
ド初心者ですが、みなさんが楽しめるようなお話が書けるように頑張りますー!
「妖怪」の説話・由来などをもとにしたショートストーリー「妖怪小噺」シリーズを制作中!
妖怪・都市伝説・怪談などが好きです!お友達も募集しておりますので、ぜひ仲良くしてください!
ログインするとコメントを投稿できます