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12月だというのに一本のひまわりが咲いている。曇り空のした、つめたくこごえながら、塀の向こう側をみつめている。
そこに一羽のスズメがやってきて、ひまわりに話しかけた。
「どうして君はひとりなの?」
秋口に種をまいた家人からも忘れ去られているので、ひまわりは驚いて声が出せなかった。スズメは気に留めることなく言葉を続けた。
「僕は群れと離れてひとりになったんだ。でも全然さびしくないよ。夕方になると、2キロ先のパン屋でパンくずをもらえるからご飯の心配もないし」
ひまわりはなんとか応じようと試みたけれど、寒さのせいで声の出し方がわからなくなっていた。スズメはそれにも気づかず、ぱっと顔を輝かせて言った。
「そうだ! パンくずのおすそわけをしてあげるよ。待ってて!」
空高く飛び立ったスズメの姿を見送りながら、ひまわりは静かな吐息を落とし、力尽きた。
そこに一羽のスズメがやってきて、ひまわりに話しかけた。
「どうして君はひとりなの?」
秋口に種をまいた家人からも忘れ去られているので、ひまわりは驚いて声が出せなかった。スズメは気に留めることなく言葉を続けた。
「僕は群れと離れてひとりになったんだ。でも全然さびしくないよ。夕方になると、2キロ先のパン屋でパンくずをもらえるからご飯の心配もないし」
ひまわりはなんとか応じようと試みたけれど、寒さのせいで声の出し方がわからなくなっていた。スズメはそれにも気づかず、ぱっと顔を輝かせて言った。
「そうだ! パンくずのおすそわけをしてあげるよ。待ってて!」
空高く飛び立ったスズメの姿を見送りながら、ひまわりは静かな吐息を落とし、力尽きた。
その他
公開:24/12/14 16:06
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
イラストはibisPaintを使っています。
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