紅葉

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山に行こうと何かに誘われている気がして、裏山の道を上がって行くと紅葉の大木が在った
枝の先が赤色・黄色・緑色と三色の枝分かれたその不思議な枝を折り、これを手に持ち更に登って行くと、焼き芋の匂いがして来た。
その煙に近づくと老人が立っていて、私の手元の枝を観た。
君が待っているその赤色の小枝をおくれと。渡すとその小枝を煙の中に放り込み、綺麗な赤が飲み込まれる様に消えた。老人は仕上げの赤色をもらえて良かったと、煙の中から真赤な皮をした焼き芋を取り出し私にくれた。
熱いけど皮ごと食べると蕩ける程に美味しかった。

老人は横の蜜柑畑を指さしながら、君の黄色の小枝をおくれと。渡すと老人は蜜柑の実をかざし陽に当てると金色に輝いた。これで甘みの仕上げも出来たぞ。
蜜柑を一つもらい家に帰り、残った緑の小枝は水にさした。
翌日葉は黄色となり翌々日真赤になった。蜜柑はとても甘かく、来年も必ず行こうと思った。
ファンタジー
公開:24/12/14 11:09

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