生る人
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ある夜中、老夫婦が住む小さな家の庭に植えられているサラリーマンの木の方から、ぼたっ、という音が聞こえてくる。木に生ったサラリーマンが落ちた音である。
家の電気がつく。寝間着姿の老婆が懐中電灯を片手に庭に出てくる。
老婆が懐中電灯で照らした先に、呆然とした顔の中年サラリーマンが横たわっている。
「あらあらまあまあ」
老婆はサラリーマンの手を優しく握り立たせる。そしてスーツについた土を払う。サラリーマンはまだ呆然としている。
老婆はサラリーマンの手を引いて、家の中へ連れていく。
「こんな夜中にねえ」
老婆はサラリーマンを居間に座らせると、お茶を淹れに台所に行く。
そこへ夫が現れ、サラリーマンの前に座る。
「母さん、俺にもお茶」
「はいはい」
夫はサラリーマンを見つめる。
「君は報連相は知ってるか?」
夫は尋ねる。長い夜が始まる。
家の電気がつく。寝間着姿の老婆が懐中電灯を片手に庭に出てくる。
老婆が懐中電灯で照らした先に、呆然とした顔の中年サラリーマンが横たわっている。
「あらあらまあまあ」
老婆はサラリーマンの手を優しく握り立たせる。そしてスーツについた土を払う。サラリーマンはまだ呆然としている。
老婆はサラリーマンの手を引いて、家の中へ連れていく。
「こんな夜中にねえ」
老婆はサラリーマンを居間に座らせると、お茶を淹れに台所に行く。
そこへ夫が現れ、サラリーマンの前に座る。
「母さん、俺にもお茶」
「はいはい」
夫はサラリーマンを見つめる。
「君は報連相は知ってるか?」
夫は尋ねる。長い夜が始まる。
ホラー
公開:24/12/07 23:48
短い読み物を書いています。その他の短編→ https://tomokotomariko.hatenablog.com/
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