美味しい暗号

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俺たちは黒猫の兄弟。俺の弟はいつも腹をすかせている。

ある日、弟と食い物を探しに出かけた。パソコンの画面に映る数字の0がドーナツに見えた。

お腹が空いていた弟は、思い切って0にかぶりついてみた。「おいしい!」。
それを見た俺は恐る恐る数字の1にかぶりついてみた。「甘い!まるでポッキーみたいだ」。

このことを仲間の猫たちにも教えるとあっという間に噂が広まり、世界中の猫たちが暗号を食べるようになった。

暗号を食べられた人間たちは困り果てていた。
「家の鍵を開けられずに、家に入れない...」
「パソコンにログインできないと仕事にならないよ...」
「今から宿題をしようと思ってたのに、タブレットが使えないじゃないか!」

そして、猫はとうとう特定迷惑生物に指定され、人間が最も嫌う動物となった。
ファンタジー
公開:24/12/07 10:47

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