アイデアが降ってくる穴場

天気予報を確認すると、私はアイデアの降る穴場へと向かう。
…おっ、結構降っているな。地面を見れば沢山のアイデアが落ちている。その中で使えそうなアイデアを拾い、持ち帰る。
実はこうした場所は日本各地にあって、物書きの多くが利用している。
沢山アイデアを持っている作家の多くは、自分だけのアイデアの降る穴場を持っている。
アイデアを拾う際は傘、もしくはヘルメットが必須だ。
アイデアは時に凶器となる。斬新なアイデアともなれば頭をぶん殴られたような衝撃を受ける。降ってきたアイデアが頭に当たり、脳震盪を引き起こした事例もある。
他に注意すべき点で言えば、アイデアは素早く持ち去る事。
もし同業者と出くわした場合、事故に見せかけ、拾ったアイデアを強奪される危険性がある。
今も私の視線の先、傘もささずにアイデアを拾うのに夢中な物書きがいる。
私はその背後にそっと近づくと、ハンマーを素早く振り下ろした。