名画でショート036『キオス島の虐殺』(ウジェーヌ・ドラクロワ)
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ここは1920年代のギリシャのキオス島。
支配者であるオスマン帝国軍の前に、ギリシャは絶望の色に彩られていた。
抵抗を諦め、ただ殺されるのをまつ老女。最後の時を、泣き叫びながら待ち続ける男女。すでに死んだ母親の乳房を求める幼児、支配者の慈悲をこう若い女性。
ギリシャ人たちがいままで住んでいたはずの町は燃え、逃げ込んだはずの山まで悲鳴が届く。
支配者であるオスマン帝国軍は、目の前にいるギリシャ人をすぐには殺さなかった。感情のない目で見つけめ、逃げないように監視するだけ。
彼らは待ち続けていた。町を燃やしつくした火が、民を殺しつくした兵が、この場所にたどり着くのを。
楽しみは、それからだ。
雲は、うっすらと晴れ間を覗かせている。
ギリシャが独立したのは、1932年。
支配者であるオスマン帝国軍の前に、ギリシャは絶望の色に彩られていた。
抵抗を諦め、ただ殺されるのをまつ老女。最後の時を、泣き叫びながら待ち続ける男女。すでに死んだ母親の乳房を求める幼児、支配者の慈悲をこう若い女性。
ギリシャ人たちがいままで住んでいたはずの町は燃え、逃げ込んだはずの山まで悲鳴が届く。
支配者であるオスマン帝国軍は、目の前にいるギリシャ人をすぐには殺さなかった。感情のない目で見つけめ、逃げないように監視するだけ。
彼らは待ち続けていた。町を燃やしつくした火が、民を殺しつくした兵が、この場所にたどり着くのを。
楽しみは、それからだ。
雲は、うっすらと晴れ間を覗かせている。
ギリシャが独立したのは、1932年。
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公開:24/12/06 20:43
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