とりもつ縁

彼女は緑一杯の神社隣にある小さな家に住んでいました。
神社の桜や紅葉の大木は、いつも手入れされていてとても清々しい環境です。
ある朝彼女が境内に入ると、鳩の集団が白色の体をした一羽の鳩だけを皆で虐めていました。
彼女が止めさせようと近づくと、白い鳩を置き去りにして遠くに逃げました。
別の日も同じ事をしていたので、彼女は何とか白い鳩の力になりたいと考えました。

ある朝境内の隅に隠れて集団を見ていると、青年が白い鳩に近づき網を被せました。他の鳩たちは慌てて逃げました。
彼は彼女の存在に気付き、神社の許可は得ていますと告げ鳩を連れて行きました。
彼と彼女は時々境内で顔を合わせていたので、何故かほっとしました。
別の日に白い鳩の事を彼に聞くと、私は白い鳩が年々減っているので増やす研究をしていますと彼女に説明しました。

数年後彼女と彼の結婚式があり、白い鳩の群れが空高く飛び上がって行きました。