昔の写真。今からの写真、

「今、昔撮った写真を再現した写真が流行ってんだよね。私もそれやってみたいから協力してくんない？」
５歳年下の従妹に急に呼び出されたかと思うと、そんなお願いをされた。
昔は僕の事をお兄ちゃんと呼んで慕ってくれた彼女。今では僕をパシリにしか思っていないようだ。突然の呼び出しは日常茶飯事。それに僕も慣れてしまっている。
「それ着てここで待ってて」
衣装を渡される。これは…七五三の衣装か？まるでコ〇ン君のコスプレだ。
今から撮る写真は１５年前のものだという。僕が１０歳の頃の写真か…どんな写真か、まったく思い出せない。
「お待たせ」
彼女がやって来た。ウェディングドレスに身を包んだ、花嫁姿だった。
彼女に写真を見せられる。そこには幼い彼女をお姫様抱っこする僕の姿が映っていた。
「大きくなったら、私をお嫁さんにしてくれるんでしょ？約束、守ってよね」
そう言うや彼女は写真と同じように僕の頬にキスをした。