松ぼっくも

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青年の頭の上をふわふわと白い松ぼっくりが転がる。

「もぉ〜、後で遊ぼうね」

青年が片手で長めの前髪をかきあげると、松ぼっくりはふわわと笑って作業台へゆっくりと降りていき、工具にモコ♪とじゃれつき始めた。青年の右肩に乗っている松ぼっくりもモココと跳ねる。

「ん~?もうすぐ」

青年は秋に拾い集めた鱗雲の破片をピンセットで摘むと、ぽかぽかな日向で練った琥珀色の糊で螺旋階段みたいに接着していき、納得のいく形になったところで秋風スプレーを吹きかけた。

「よっし!完璧」

包み込むようにした青年の両手から、鱗雲でできた松ぼっくりの【松ぼっくも】がふわぁ〜と産声をあげた。あまり知られていないが、秋は空から鱗雲の破片が落ちてくる。それらを集めて松ぼっくもを生み出し、育てて秋空へ帰すのがこの青年の仕事。

新しい家族の誕生を祝い、工房中の松ぼっくもたちがふわモコと踊る。

青年の手はいつも温かい。
ファンタジー
公開:24/11/28 19:10

花笑みの旅人( 気の向くまま )

ページを開いてくださり、ありがとうございました♪

6月12日〜6月末まで勝手にチャレンジしていた毎日投稿を無事達成することができたので7月から夏休みに入りま〜す(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)

ガーデンでは☆を押してくださったのがどなたかわからないシステムですが、そんな中☆を押してくださった方ありがとうございました!また、リアクション等されていなくとも作品を開き読んでくださった方がいらっしゃいましたとしたら、重ねて感謝申し上げます。貴重な時間を割いていただきありがとうございました!!

もちろん、いつも楽しいコメントをくれるあなたも心からありがとう♪
では、暫くばいばいぴょ〜ん!

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