続人魚奇譚
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同窓会で二十年ぶりに再会した旧友が、老け込むどころか輝くような美女に変貌していたので、女は驚いて彼女を問い質した。
「私、特別な事は何もしていないのよ……ある物を口にした以外は」
「ある物? ある物って何なのよ?」
旧友は薄手の白い手袋を嵌めた手で、バッグから小さなハンカチの包みを取り出し、女へ差し出した。
「こ、これは――」
包みを開いた女は顔を青くしてぶるぶる震えた。作り物のように美しい女の薬指がコロンと転がった。
「ある物っていうのは、これの事なの。これは人魚の肉なのよ。私、人魚を食べて人魚になったの」
「あ、あなた、気が狂ってる!」
「そう思うなら、その指返して頂戴。何を犠牲にしても、美しくなりたい女は大勢いるんだから」
同窓会の翌朝、女は鏡を見て驚愕した。そこには目が覚めるような美女が映っていた。
途端に自分の肉を他の女に食わせたい衝動がむらむらと湧き上がってきた。
「私、特別な事は何もしていないのよ……ある物を口にした以外は」
「ある物? ある物って何なのよ?」
旧友は薄手の白い手袋を嵌めた手で、バッグから小さなハンカチの包みを取り出し、女へ差し出した。
「こ、これは――」
包みを開いた女は顔を青くしてぶるぶる震えた。作り物のように美しい女の薬指がコロンと転がった。
「ある物っていうのは、これの事なの。これは人魚の肉なのよ。私、人魚を食べて人魚になったの」
「あ、あなた、気が狂ってる!」
「そう思うなら、その指返して頂戴。何を犠牲にしても、美しくなりたい女は大勢いるんだから」
同窓会の翌朝、女は鏡を見て驚愕した。そこには目が覚めるような美女が映っていた。
途端に自分の肉を他の女に食わせたい衝動がむらむらと湧き上がってきた。
ホラー
公開:24/11/23 13:55
更新:24/11/25 23:00
更新:24/11/25 23:00
純愛ものを書きたいと夢見るお年頃
週一くらいで投稿したいです
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