名画でショート034『アルノフィニ夫妻の肖像』(ファン・アイク)

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二人は画家の前で、永遠の絆を誓い合った。
フランドル風の衣装を身にまとった男の手は優しく女の手を握り、女は恥ずかしそうに少しうつむく。
女の足元には、まるで毛玉のようなペットの小型犬が寄り添い、奥手にはこれからの二人の幸福を象徴するかのように、深紅で飾られたベッドがある。
二人が永遠の愛を誓い合ったのは1434年。だが、二人が結婚したのは1447年であることがその後の調査で判明している。
13年間の空白は何を意味するのか。
男の顔は病的に色白く、衣装から少しのぞく足首は極端に細い。もしかした病気だったのかもしれない。
13年間の治療を経て、二人は正式に結ばれた。
想像を広げることはできるが、絵画は何も語ってはくれない。
絵は、ただ、そこにあるだけ。
だれかの解釈を、ただ、待ち続けているだけ。
その他
公開:24/11/22 21:01

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