ソムリエを極めております

面接官は、応募者の履歴書にみっちり書き込まれていた資格の数に圧倒されていた。
「たくさん資格持ってらっしゃいますね…。野菜ソムリエ、コーヒーソムリエ、温泉ソムリエ…。ソムリエばかりですね」
「はい。ソムリエマニアです」
「ジーンズソムリエ、タオルソムリエ…SFソムリエ？」
「はい。お客様に合ったSF作品を提供します。例えば…SFはそこまでお好きでないようですが、恋愛リアリティショーがお好きですね？」
「なぜ分かりました？」
「私はソムリエを極めておりますので、嗅覚で分かるんです。恋愛リアリティーショーを題材にしたSF小説がございまして、こちらをおすすめさせていただきます」
「面白そうですね。詳しい情報は後ほどお伺いできればと思います。では、最後に改めて自己PRをお願いします」
「はい。私がソムリエソムリエになった暁には、全てのお客様にふさわしいソムリエ試験を提供できるように、日々精進し…」