無人島生活福袋

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昨夜はバーで楽しく酒を飲んでいたのに、目覚めた場所は小さな無人島だった。周りには海しかない。自分の身に起こった事が理解できないでいた。確かに二日酔いなのだ。必死に記憶を探る。飲みすぎたせいか断片しか思い出せない。

「過酷なダイエットプログラムがあるけど挑戦する勇気はありますか」
「痩せられるなら過酷でも挑戦するわよ」
「三ヶ月間無人島で一人で生活して新年を迎えるというものですよ」

私は付き合い始めてからの太り過ぎが原因で彼に振られた。それでバーでの知らない男の誘いに勢いでOKして飲みすぎたのだった。私はガールスカウトにいたのでサバイバルの知識だけは持っている。使ったことはほとんどなかったが。そして知識のあらん限りを使い三ヶ月間の無人島生活をやり遂げた。

新年になりヘリが迎えに来た。ヘリの中ではおめでとうの声と共に「無人島生活福袋」が準備されていた。中身はSサイズのドレス。涙が溢れた。
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公開:24/11/18 08:11
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松浦照葉( 福岡県 )

IT業界を卒業し、小説執筆中です。
普段はnoteでショートショートを投稿しながら、AmazonとAppleと楽天で小説、実用書の電子書籍を販売中です。
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