良い子へのクリスマスプレゼント

１２月２４日。勝の弟が誘拐された。
「大丈夫。必ず助かる」
俺は勝と勝の両親を励ます。
俺の両親は警察官で、誘拐の事を密かに伝えてすぐに来てもらった。警察にもすぐに動いてもらった。
俺と勝は、勝の弟の無事を祈る事しか出来なかった。
強く願い続ける勝は、祈り疲れて気付かぬ内に眠ってしまっていた。

翌朝、母から勝の弟が無事戻ってきたと伝えられた。
「弟君、私達より先にサンタさんが助け出しちゃったみたい」
次いで父が慌ててやってきた。
「大変だ！さっき警察署の前で誘拐犯が箱に詰められているのが見つかった！一体誰がこんな事を…」
困惑する父に俺は元気よく手を挙げる。
「それ、サンタがやってくれたんだよ！俺の、犯人が早く捕まってくれますように、って祈りが届いたんだ！」
目を丸くする父。
犯人が入っていた箱の中にメリークリスマスと書かれていたカードが入っていたようで、その可能性も考えているみたいだ。