予告状

『１２月１日に上記の玩具を頂きに参上する。御社におかれましては我々に玩具を提供するようお願い申し上げます。
いっぱい太陽の爪軍団』

そんな手紙がウチの玩具屋に届いた。
ふざけるな！こんな得体のしれない連中にクリスマスに向けて売れるであろう玩具を渡してなるものか！
「なるほどねぇ…キミ、ここに書いてある玩具、全部渡すよう準備しておいて」
警察に電話しようと思っていた矢先、店長がそんな事を言うものだから出鼻を挫かれた。
「いっぱい太陽の爪軍団、は言い換えると、SUN多CLAWス。サンタクロースが身分を隠して使う名前だよ。だからこれは、予告状じゃなくてサンタさんからのクリスマスカードさ」
でも…こんなに持っていかれたら売り上げが…
「それは大丈夫。このカードを店先に出しておくと、あしながおじさんが玩具の代金を振り込んでくれるんだ。ブラウンのスーツが良く似合う、四本足のあしながおじさんが、ね」