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「お父さん、今日のラッキーひらがなは『ぬ』だって」
スマホ片手に食パンを齧る高校生の娘がネクタイを締める私に言った。
「何だそれ。普通、色か数字だろ」「それで笑うと幸運に恵まれるって。ちなみに私は」
るるるるると不気味に笑う娘に「せめて、ハ行で笑わせてくれよ」と苦笑いで家を出た。
難航する商談に先方の社長は首を縦にふらなかった。
何か話題を変えなくてはいけない。「社長、そのネクタイいい色ですね」
「今日のラッキーカラーでな。割と信じる方なんじゃ」社長が破顔する。
「孫からの贈り物でな、自分じゃ選ばない派手な色じゃ」と言うと
もももももと社長の不気味な高笑いが轟いた。
同席者全員、目を丸め気まずい空気になると、社長も我に返りバツが悪そうに閉口した。
「あ」と私は声をあげる。そして
ぬぬぬぬぬと不気味に高笑いした。
深く頭を下げ、営業先を後にする。娘にケーキでも買って帰ろうと思った。
スマホ片手に食パンを齧る高校生の娘がネクタイを締める私に言った。
「何だそれ。普通、色か数字だろ」「それで笑うと幸運に恵まれるって。ちなみに私は」
るるるるると不気味に笑う娘に「せめて、ハ行で笑わせてくれよ」と苦笑いで家を出た。
難航する商談に先方の社長は首を縦にふらなかった。
何か話題を変えなくてはいけない。「社長、そのネクタイいい色ですね」
「今日のラッキーカラーでな。割と信じる方なんじゃ」社長が破顔する。
「孫からの贈り物でな、自分じゃ選ばない派手な色じゃ」と言うと
もももももと社長の不気味な高笑いが轟いた。
同席者全員、目を丸め気まずい空気になると、社長も我に返りバツが悪そうに閉口した。
「あ」と私は声をあげる。そして
ぬぬぬぬぬと不気味に高笑いした。
深く頭を下げ、営業先を後にする。娘にケーキでも買って帰ろうと思った。
その他
公開:24/11/15 11:50
更新:24/11/15 14:59
更新:24/11/15 14:59
まずは自分が楽しむこと。
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