桜と土と道
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丘の上の大きな桜の木の下に向かって走っていたはずが、そんな場所はないじゃないか。一緒の道を走っていたはずの友だちだっていない。前を走ってくれていたはずのママもパパも消えた。おじいちゃんおばあちゃんはだいぶ遠くにいたから、頑張っていた場所に向かったけど、もうそこにはいなかった。一緒に走ろうと誘った子には振られてしまった。これからずっと一緒の道を歩こうと約束した恋人とも別れてしまった。株式会社◯◯と書かれた車に乗れたけれど、俺は身動きも取れないまま、放り出されてしまった。気付けば、自分の身体が思い通りに動かなくなっていた。
そういえば、最近桜の木を見る機会が増えた。不思議だけど、桜の木の下の土が盛り上がっているように見える。明らかに盛り上がっていたり、ほとんど平坦だったり木によってさまざまだ。桜の木に触れると、映像が見えた。映像的に記憶のようだ。他の木も触ったら、誰かの記憶の中に俺がいた。
そういえば、最近桜の木を見る機会が増えた。不思議だけど、桜の木の下の土が盛り上がっているように見える。明らかに盛り上がっていたり、ほとんど平坦だったり木によってさまざまだ。桜の木に触れると、映像が見えた。映像的に記憶のようだ。他の木も触ったら、誰かの記憶の中に俺がいた。
公開:24/11/12 12:38
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