ショートショートの神様

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エヌ氏の前に悪魔が現れた。
「私は悪魔だ。君の願いを一つ叶えてやろう」
エヌ氏は尋ねた。
「どうして私のもとに?」
悪魔は答えた。
「ひどく落ち込んだ者の前に現れるのだ。君の話を聞かせてもらおう」
エヌ氏は語り始めた。
「僕はショートショートの作家を目指しています。でも、ネタはほとんど『ショートショートの神様』星野新二にやり尽くされているんです」
悪魔は言った。
「して、貴様の願いは?」
エヌ氏は答えた。「彼を歴史から消してほしい」
翌日、エヌ氏は星野の作品を真似した話を出版社に持ち込んだが、編集者は言った。
「面白いけど短すぎる。こんな形式は流行らないよ」
ショートショートというジャンルは存在していなかった。エヌ氏は再び落ち込んだ気分になった。
SF
公開:24/11/11 19:33
星新一 作家 悪魔

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