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雲霧常務は社員のメンタル管理に情熱を燃やしている。
社員食堂のオープンスペースで、毎日、どこかの部署の社員とランチミーティングをするのが日課だ。
「最近、困ってることはないかな?」
「あ、いえ、特には……」
入社後はじめて呼ばれたぼくは、緊張しすぎて大好きな唐揚げ定食の味がわからなくなっている。当然ながら雲霧常務の顔も見れない。
「もし困ったことが起きたら、すぐ誰かに相談するんだよ。抱え込むのはよくないからね」
「はい……」
実のところぼくは、現在進行形で困っていた。周囲を真っ白な水蒸気で囲まれているからだ。
「ところで火曜限定ヤンニョムチキンもいけるから、今度ぜひ食べてみて」
「はい、承知しました」
雲霧常務が席を立つと、水蒸気はそちらに吸い寄せられるように消えてしまった。
後で知ったことだけど、雲霧常務は忍者の末裔で、水を扱う術が得意らしい。マイナスイオンで社員を癒しているそうだ。
社員食堂のオープンスペースで、毎日、どこかの部署の社員とランチミーティングをするのが日課だ。
「最近、困ってることはないかな?」
「あ、いえ、特には……」
入社後はじめて呼ばれたぼくは、緊張しすぎて大好きな唐揚げ定食の味がわからなくなっている。当然ながら雲霧常務の顔も見れない。
「もし困ったことが起きたら、すぐ誰かに相談するんだよ。抱え込むのはよくないからね」
「はい……」
実のところぼくは、現在進行形で困っていた。周囲を真っ白な水蒸気で囲まれているからだ。
「ところで火曜限定ヤンニョムチキンもいけるから、今度ぜひ食べてみて」
「はい、承知しました」
雲霧常務が席を立つと、水蒸気はそちらに吸い寄せられるように消えてしまった。
後で知ったことだけど、雲霧常務は忍者の末裔で、水を扱う術が得意らしい。マイナスイオンで社員を癒しているそうだ。
その他
公開:24/11/11 12:47
更新:24/11/11 14:00
更新:24/11/11 14:00
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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