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「部長。先方までタクシー使いますか」部下はスマホを取り出す。
「いや経費削減だ。ユービットにしよう」
「わ、かりました」部下は専用端末に持ち替え、QRコードが印字された切手を印刷した。そして各々おでこに貼り付け、道路脇に立った。
「いいか、ここからは我々は人ではなく、荷物だ」
「はい、どっちですかね」「分からん、コレばっかりは空き状況次第だ」
程なく、人力車よろしく荷車を引いた人型AIロボが到着した。胸には郵便マークが輝く。
部長のQRを読むと、赤子のようにひょいと抱え荷台に積み込んだ。既に感情を殺した数人の荷物が積み込まれ、部長で満載となった荷車は部下を残し走り去っていった。
間髪を入れず、部下は近づいてくる存在に気づく。そして深い溜息をつき目を瞑った。
QRを読み、両脇をがしと掴まれると獲物を連れ去る鷹の様に郵人ドローンは飛び立った。
人権が緩和された、そう遠くない未来の話である。
「いや経費削減だ。ユービットにしよう」
「わ、かりました」部下は専用端末に持ち替え、QRコードが印字された切手を印刷した。そして各々おでこに貼り付け、道路脇に立った。
「いいか、ここからは我々は人ではなく、荷物だ」
「はい、どっちですかね」「分からん、コレばっかりは空き状況次第だ」
程なく、人力車よろしく荷車を引いた人型AIロボが到着した。胸には郵便マークが輝く。
部長のQRを読むと、赤子のようにひょいと抱え荷台に積み込んだ。既に感情を殺した数人の荷物が積み込まれ、部長で満載となった荷車は部下を残し走り去っていった。
間髪を入れず、部下は近づいてくる存在に気づく。そして深い溜息をつき目を瞑った。
QRを読み、両脇をがしと掴まれると獲物を連れ去る鷹の様に郵人ドローンは飛び立った。
人権が緩和された、そう遠くない未来の話である。
SF
公開:24/11/05 09:51
まずは自分が楽しむこと。
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