3
3
わたしが彼を意識し始めたのは初夏の頃だ
教室の窓際でいつも本を読んでいる彼
わたしが廊下側の席から外の景色を眺めようとするとセットでもれなく彼が目に入る
教室の窓から見える楓の緑が季節を教えてくれてた
ある時ふと彼の読んでる本が目に入った
わたしが今読んでるのと同じ本だった
「どこまで読んだ? わたしもそれ読んでる」
わたしは思わず彼に声をかけていた
少し驚いた表情をした彼
「2章の途中 ミステリーだから内容は言わんけど」
本好きならではの配慮
それ以降お互い読んだ本を通じて話すようになった
彼のお勧めを読んだり わたしのお勧めを彼が読んだり 一人の時とは違った読書の楽しみがあった
いつしか窓の外を見る意味合いも変わっていった
彼との積み上げてきた楽しい時間はわたしの心にも
少しの変化を与えていた
彼越しの景色が目に入る
わたしの想いのように楓は紅く色づき始めていた
教室の窓際でいつも本を読んでいる彼
わたしが廊下側の席から外の景色を眺めようとするとセットでもれなく彼が目に入る
教室の窓から見える楓の緑が季節を教えてくれてた
ある時ふと彼の読んでる本が目に入った
わたしが今読んでるのと同じ本だった
「どこまで読んだ? わたしもそれ読んでる」
わたしは思わず彼に声をかけていた
少し驚いた表情をした彼
「2章の途中 ミステリーだから内容は言わんけど」
本好きならではの配慮
それ以降お互い読んだ本を通じて話すようになった
彼のお勧めを読んだり わたしのお勧めを彼が読んだり 一人の時とは違った読書の楽しみがあった
いつしか窓の外を見る意味合いも変わっていった
彼との積み上げてきた楽しい時間はわたしの心にも
少しの変化を与えていた
彼越しの景色が目に入る
わたしの想いのように楓は紅く色づき始めていた
青春
公開:24/11/04 20:09
頭の中に浮かんでは消える意味のない想いのようなものを成仏させてあげたくて書いてます
ログインするとコメントを投稿できます