手紙

今日、俺の机の中に見慣れない封筒が入っていた。
何だろうと中を確認すると、ラブレターが入っていた。
優しい俺が好きだとか、かっこいい俺が好きだとか、とても嬉しい事を書いてくれている。
だけど悪いな。俺には彼女がいる。だから当然返事は断るつも-
「これ、アンタと付き合いたいって一言も書いてないんだけど？」
彼女にラブレターをかすめ取られた。
「ふむ…目の付け所は悪くないわね。でも、これって悪戯じゃない？名前書いていないし、文字もどことなく男っぽいし…本気にしない方がいいわよ」
彼女の一言が心にぐさりと刺さる。そっか…悪戯か…
俺は肩を落とし、校舎裏へ行くといつものように野良の黒猫（♂）に餌あげた。

（この人間、今日は元気ないな…手紙、読んでくれていないのかな？
折角、黒猫族に伝わる秘術で人間に変化し、日頃のお礼と気持ちを手紙に書いたんだけど…やっぱり、慣れない事はやるもんじゃなかったか…）