理屈の刃

「おい、金を出せ」
強盗はナイフを男に突きつけた。
「なぜお金を出さなければならないのですか？」
「これが見えないのか？」
「見えます。ナイフですね。ですが、ナイフとお金がどう関係するのですか？」
「金を出さないと、このナイフでお前を刺して殺す」
「なるほど。私は自分の命を守るためにお金を出すのですね？」
「そうだ！」
「ですが、あなたが私を殺さない保証はありますか？口約束や契約書では信じられません。あなたは既に犯罪行為を行っているのです。信用できません」
「じゃあ、どうすればいい？」
「まず、私を解放してください」
強盗は男を離す。
「次に、そのナイフを私に渡してください」
強盗は不安そうにナイフを渡す。
「これで私の安全は確保されました」
「じゃ、金を出せ」
「出しません。今、私が武器を持っていますから」
男は強盗にナイフを向ける。
「お金を出していただけますか？」
立場が逆転した。