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祖母は毎日、誰かに手紙を書いている。
背筋を伸ばし、万年筆の先をインクでちょんと染めるとスラスラと書き始める。
書き直しの効かない一発勝負。ボールペンで書くそれとはまた違った緊張感。
そんな豪華な手紙を一体誰に送っているのだろう?メールやラインじゃダメなんだろうか?
「万年筆は上手に使うとその名前の通り、万年使えるの。ただ、使わずに放っておくと万年経たずすぐに痛んでしまうわ…万年筆を長く愛用する為にも、こうやって毎日ちゃんと使ってあげる必要があるの。それに、この手紙の相手は私よりずっと年上で、電子の手紙より紙の手紙を愛しているの」
今年米寿を迎えた祖母より年上!?一体何者なの!?
「さぁ…?同性とはいえ、女性に年齢は聞くもんじゃないでしょ。そもそも相手は妖怪だしね」
妖怪!?
「恋文を愛する、文車妖妃様へ。彼女に思いの籠もった手紙を書くのが私の日課なの」
そう話す祖母は照れ笑いを浮かべた。
公開:24/11/01 21:15

幸運な野良猫

yahoo!サーバーに問題が発生したらしく2022年9月1日より2週間入れなかったので新規にアカウント取得。
半年以上毎日Yahoo!IDでログインを試みるも、現在進行形でログインできない状態です。#EY003って何だ?
運営に報告するも、ずっと無視されております。自動応答メールだけが返ってくる…1年経過で、もう諦めた…

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