老人宅

蓋が開けられたままのゴミ箱の中から、ゴミの声が聴こえてきた。今からご主人が生ゴミを収集所に出しに行くと言っている。確か昨日が生ゴミの日だったから先輩ゴミ達は出発したのに、今日もまた収集日と勘違いしているぞ。
最近家の中のルールがめちゃくちゃになっているなぁ、今夜皆で一度相談し合おうと言って蓋をパタンと閉めた。
聴こえたらしく両隣りのプラスチックゴミ箱と燃えないゴミ箱が蓋をパカパカと音を立てた。

夜の相談の結果、今後は自分達の分類は自分でして適切なゴミ箱に入る事にする。
各自指定曜日を覚えておいて自身で収集所に行く事に決めた。
そうすれば家の中での出し忘れや間違った分別も無くなり、老人宅での負担は軽減できる。
その話を聞いていたガラス戸が、開けっ放しにして忘れられていても、これからは自分が動いて夜中には戸締まりもしておこう。すると、緩み放しだった水道蛇口も身を引き締めキリッとなった。