手紙

幼い頃、僕には悪魔の友達がいた。
お隣さんが召喚した悪魔で、お隣さんの家にホームステイしていた時に仲良くなった。
当時の僕は悪魔にカッコいいという印象を持っていた。だから怖くなかったし、一緒にいて凄く楽しかった。
だからこそ悪魔が魔界に帰ると知った時は悲しかったな…
手紙を書くからと約束して、涙の別れをしたっけ…
それから悪魔とは文通友達になった。
悪魔は時々こっちの世界に召喚される事もあってか、その旅先でも手紙を書いて送ってくれた。
また会いたいなぁ…
ある時、悪魔から願いはないのか？と聞かれた。
願いか…僕ももう三十路。そろそろ恋人が欲しくなってきたかな、と答えた。
すると悪魔は僕の願いに呼応し、召喚された。
悪魔は僕に最高の女性を紹介すると約束してくれた。その小悪魔な笑みに僕は心奪われた。
早速契約書を取り出す悪魔。魂姻届けと書かれたそれに僕は、お友達からお願いしますと答え、返した。