山の記憶

　拓真と友人は、軽いハイキングの途中、山道で一人の男とすれ違った。　
　「こんにちは」と軽く挨拶を交わすと、男も優しい笑みを浮かべて返す。　
　何気ない出会いだった。
　しばらく進むと、不自然にテレビが置かれていた。
　「なんだこれ？こんな場所に…」と拓真がつぶやく。　
　すると、木の上から一枚の葉がヒラヒラと落ちてきた。そこには、私の記憶を見せるテレビです。警告します。３チャンネルを映しなさいと書いてある。
　リモコンを操作すると、3日前の記録が映し出された。日付も表示されている。
　画面には、さっきのすれ違った男が人間の形をした何かを土に埋めている姿が映っている。「これって…人間じゃないか？」と友人が震える声で言う。
　二人は凍りつき、恐怖に駆られながら振り返ると、そこには狂気の笑みを浮かべたさっきの男がシャベルを振り上げ立っていた。そして、男のシャベルが二人に振り下ろされた...。