今日と明日のあいだ
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今日が終わろうとしている。もう少しで明日が来る。私は手に虫取り網を持っている。今日と明日のあいだにしか
現れないと言われている幻の蝶を捕まえるためだ。もう、かれこれ30年続けている。1日も欠かしたことはない。しかしまだ蝶は1度も捕まえられていない。何度も、もう少しのところまではいった。しかしどうしても最後の最後には逃げられてしまう。私は意地になっていた。今日こそは。もうすぐ日付が変わる。23時59分59秒。網を振り上げる。蝶が現れる。美しい。何度見ても美しい。見とれているヒマはない。急いで網を振り下ろす。「入ったか!」私は叫ぶ。しかし今日も蝶は捕まえられなかった。まあ、良い。明日があるさ。
現れないと言われている幻の蝶を捕まえるためだ。もう、かれこれ30年続けている。1日も欠かしたことはない。しかしまだ蝶は1度も捕まえられていない。何度も、もう少しのところまではいった。しかしどうしても最後の最後には逃げられてしまう。私は意地になっていた。今日こそは。もうすぐ日付が変わる。23時59分59秒。網を振り上げる。蝶が現れる。美しい。何度見ても美しい。見とれているヒマはない。急いで網を振り下ろす。「入ったか!」私は叫ぶ。しかし今日も蝶は捕まえられなかった。まあ、良い。明日があるさ。
ミステリー・推理
公開:24/10/28 18:46
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時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、短いお話を書いています。コメントは励みになります。とりあえず過去作の改訂版を中心に新作も載せていきます。よろしくお願いします。
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