手紙

公園で遊んでいた５歳の娘が沢山の椎の実を拾ってきた。
娘はそれを自慢げに私に見せては「この中にね、お手紙が入っているの」と言ってくる。
何が書いてあるの？と聞くと「秋の旬の食べごろ」と元気よく答える。一体どこでそんな言葉を覚えたのやら…
それどころか娘は秋の味覚の調理方法なんかも言ってくる。…本当にそれ、どこで覚えたの？
「だから、手紙にそう書かれているの」
娘がその手紙とやらを私に見せてくる。が、私には娘が手を突き出しているだけで他は何も見えない。
かと言って嘘をついている様子もない。どうしよう…
私が困っている間も、娘は椎の実から手紙？を取り出していく。
「えっ！？そうなの？ママ、ごめんなさい。この手紙は大人には見えないんだって」
残念ね…と、口にしながらも私は内心、ホッとしていた。
「大人はろーがんで、小人と小さなものが見えなくなるんだって」
娘の言葉に二つの意味でショックを受けた。