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定年したら趣味を持ちたいと考えた俺は、友人に勧められた料理教室に通うことにした。と言っても教えてもらえるのは普通の料理ではない。退化レシピなるものだ。
初回は着替え持参で駅に集合した。おじさんばかりでぞろぞろとバスに乗り、簡単なレクリエーションを行いながら作業地に向かう。小一時間後には、粘土質の泥を山から切りだしていた。
「え〜、それではこれから縄文時代に思いを馳せながら土器を作っていただきます」
初めこそ困惑したものの、汗を流しながらの労働は久しぶりだった。ほかのおじさんたちも同じだったらしく、全員の表情が輝いている。みんなで楽しく土器を製作した。次回は狩猟、その次は漁を行うそうだ。
帰宅してから妻に話すと、嫌味たっぷりにこう言われた。
「私はあなたのその汚れた洋服をきめ細かく洗える最先端の洗濯機が欲しいわ」
妻は進化したいらしい。俺は黙ってカップラーメンを食べた。
初回は着替え持参で駅に集合した。おじさんばかりでぞろぞろとバスに乗り、簡単なレクリエーションを行いながら作業地に向かう。小一時間後には、粘土質の泥を山から切りだしていた。
「え〜、それではこれから縄文時代に思いを馳せながら土器を作っていただきます」
初めこそ困惑したものの、汗を流しながらの労働は久しぶりだった。ほかのおじさんたちも同じだったらしく、全員の表情が輝いている。みんなで楽しく土器を製作した。次回は狩猟、その次は漁を行うそうだ。
帰宅してから妻に話すと、嫌味たっぷりにこう言われた。
「私はあなたのその汚れた洋服をきめ細かく洗える最先端の洗濯機が欲しいわ」
妻は進化したいらしい。俺は黙ってカップラーメンを食べた。
その他
公開:24/05/11 09:00
更新:24/05/11 09:59
更新:24/05/11 09:59
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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