夢の缶詰

金管楽器が威勢よく鳴って、キラキラと金銀の紙吹雪が飛んでくる。ワゴンに乗って進む。ジェットコースターみたいだけどレールがなくてワゴンは上がったり下がったり。見下ろす眼下にまぶしいライトの列。ワゴンはビルに向かう。壁のガラス面にジャングルの映像。一直線に映像のジャングルに突っ込む。あっという間に暑い密林、獣や鳥の声。急降下すると青い湖。大きなしぶきを上げて湖面を潜る。水中でゆらゆらと熱帯魚の群れ。湖底に岩盤。ワゴンは緩やかに進む。岩の扉がさっと開いて現代建築のアトリウム。美人アテンダントが微笑んで迎える。「お楽しみいただけましたか？」「大満足」「お土産です」と花柄の包装紙の小さな紙箱をもらう。
楽しい遊園地の一日だった。家に帰ると疲れて寝る。もらってきた紙箱をベッドで開けた。中には缶詰が一つ。缶詰を開けると、音が聞こえる。金管楽器が威勢よく鳴って、キラキラと金銀の紙吹雪が飛んできて・・。