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愛犬のクッキーを連れて田中さんに回覧板を持っていくと、ちょうど家族と散歩に向かうところだというので同行させてもらうことにした。すると田中さんは小さなかごを抱えて現れた。
かごにはクッキーが一枚。私はおそるおそる訊ねた。
「あの〜、そちらは?」
「昨日お迎えしたクッキーちゃんよ」
「か、かわいい〜!?」
世間話をしながら土手まで足を伸ばす。すれ違うひとのほとんどがクッキーと散歩していた。無知は恐ろしい。私が遅れていたのだ。
よく見ると、クッキーちゃんは絶妙な焼き加減でとても愛らしかった。それになんだか香ばしい匂いもする。
すっかり気を取られていたら愛犬のクッキーが焼きもちを妬いたらしく、急に田中さんのクッキーちゃんに飛びかかってしまった。
「あっ、あたしのクッキーちゃんが!!」
必死で止めたが間に合わず、地獄絵図が展開された。
後日、海外からお取り寄せした高級クッキーを持って謝罪に伺った。
かごにはクッキーが一枚。私はおそるおそる訊ねた。
「あの〜、そちらは?」
「昨日お迎えしたクッキーちゃんよ」
「か、かわいい〜!?」
世間話をしながら土手まで足を伸ばす。すれ違うひとのほとんどがクッキーと散歩していた。無知は恐ろしい。私が遅れていたのだ。
よく見ると、クッキーちゃんは絶妙な焼き加減でとても愛らしかった。それになんだか香ばしい匂いもする。
すっかり気を取られていたら愛犬のクッキーが焼きもちを妬いたらしく、急に田中さんのクッキーちゃんに飛びかかってしまった。
「あっ、あたしのクッキーちゃんが!!」
必死で止めたが間に合わず、地獄絵図が展開された。
後日、海外からお取り寄せした高級クッキーを持って謝罪に伺った。
ファンタジー
公開:24/05/15 09:00
更新:24/05/13 19:32
更新:24/05/13 19:32
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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