噂の尾ひれ怪獣

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「知ってるか?」

“今、巷で『噂の尾ひれ怪獣』ってのが少しずつ増殖してるらしいぜ。名の通りのヤツなんだが、かなりの手練れらしいんで、会ったら惑わされないように気をつけたほうが良いぜ”

ああ、そういやバイト先にもいるなぁ~そういうヤツ。

「知ってるか~い?」
「何だ、ミノカサゴ」
相変わらず派手な頭だな、コイツ。
「今はミノカサゴブームなんだよ~」
はい、嘘ー!
「えっへへ~(笑)それより知ってるかい?〇〇が〇〇ってさウワサ~」

話を一通り聞いてやったら満足そうにしたそいつに、“見える”俺は言ってやった。
「頭に、“怪獣”付いてるぜ」
「えっ、マジ~!?もー!」
手を伸ばして離してやると、小さな怪獣は「ギャオス!」と吠えて消えていった。

「あ~あ、見抜かれたか、残念(笑) じゃ、お疲れ~」
「…れー…」

さてと。
俺は前から気になってたラーメン屋に口コミを見ずに向かった。
SF
公開:24/05/12 12:09

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