三人寄れば文殊の知恵

人生に絶望した私は命を絶つ為、人気のない森の奥の泉に身投げした。

…が、私の体は何者かによって泉の外へと投げ出される。

誰だ？余計な事をしてくれたのは？

『貴方が落としたのは、金の貴方ですか？』

泉の女神が金色に輝く私を伴い、私に質問してきた。

私は首を横に振る。

金の私？不気味にも程がある。

『それでは貴方が落としたのは、銀の貴方ですか？』

泉から銀の私が姿を現した。

私は首を横に振る。

金の私に続き銀の私？不気味を越えて狂気を感じた。

「私が落としたかったのは命だ！私は死ぬつもりだったんだぞ！」

私の怒りを女神はどこ吹く風で受け止める。

『正直者の貴方には、金の貴方と銀の貴方。両方差し上げましょう』

あまつさえ、金と銀の私を残し、泉に戻ってしまった。

「これから」「どうします？」

金の私と銀の私に聞かれる。

とりあえず、３人で飯でも食いながら考えるか…