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未知の怪異を追って全国行脚していたら奇妙な噂を聞いた。とある田舎町に廃線になった駅がのこされているのだが、真夜中十二時になると一両編成の謎の列車がホームに滑り込んでくるのだという。
幸い五月の夜は比較的暖かい。俺はカメラを用意して現地で待機することにした。
周囲に人家はなく、山に囲まれている。聞こえてくるものといえば、動物の鳴き声や小虫の這い回る音だけだ。しかしそのうち夜風に紛れ、かすれた警笛音が聞こえてきた。幻ではなく本当に列車が現われたのだ。
俺は夢中でカメラのフラッシュを駆使してシャッターを切ったが、ふと気づくと周りはカメラを構えた人間だらけだった。どうやらお仲間らしい。
気軽に話しかけようとして思いとどまった。列車が生き物のように蠢いていたからだ。目を凝らすと、カメラを持った人間たちで列車が構成されていることに気づいた。俺は写真を撮るふりをしながら、静かにその場を後にした。
幸い五月の夜は比較的暖かい。俺はカメラを用意して現地で待機することにした。
周囲に人家はなく、山に囲まれている。聞こえてくるものといえば、動物の鳴き声や小虫の這い回る音だけだ。しかしそのうち夜風に紛れ、かすれた警笛音が聞こえてきた。幻ではなく本当に列車が現われたのだ。
俺は夢中でカメラのフラッシュを駆使してシャッターを切ったが、ふと気づくと周りはカメラを構えた人間だらけだった。どうやらお仲間らしい。
気軽に話しかけようとして思いとどまった。列車が生き物のように蠢いていたからだ。目を凝らすと、カメラを持った人間たちで列車が構成されていることに気づいた。俺は写真を撮るふりをしながら、静かにその場を後にした。
ホラー
公開:24/05/06 17:45
☆やコメントありがとうございます✨
以前のアカウントにログインできなくなってしまい、つくりなおしました。
清流の国ぎふショートショート文芸賞 入選
ときどき短編〜長編も書いています(別名義もあります)
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