猫をかぶる

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今日はハロウィン。僕は猫に仮装した。友人との集合場所へ近道しているうちに路地へ迷い込んだ。

やっとで広い場所へでた。猫の集団がいた。その視線がいっせいに僕に注がれる。もしやこれが噂の【猫集会】だろうか。棒立ちになっていると、トラ猫が話かけてきた。「君、見ない顔だね。初参加?」「はい、最近すてられて」反射的に返事をする。白猫が「可哀そうに。これあげるわ、まだ新鮮よ」と足元に鼠を置いた。ぴくぴくと動いている。ぶち猫も「ほら、俺も特別にやるよ」とマタタビの粉末を分けてくれた。

黒猫が登壇した。「今日の議題は、上手に猫をかぶる方法です。意見のある方おりますか」
「難しいよな。俺、人間の前でうまく猫かぶれないんだよ」皆が口々に言っている。
よし僕がレッスンしてやろう。僕、猫かぶるの上手だからな。壇上へふらふらしながら向かう。
「新入り、マタタビに酔ったみたいだな」
ファンタジー
公開:24/05/08 17:00

もりを

400文字という制限のなかで、あれこれと言葉を考えるのが楽しいです!

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