あの星に届くのだ〜れ?

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「お星さまは僕のもんだい!」

「まぁ!お星さまは今年もお姉ちゃんのものよ?」

二匹の鯉のぼりの姉弟がお星さまと呼んで空高くまで追いかけているのは、鯉のぼりの先端についている矢車。キラキラと皐月の空に輝くあの矢車を、鯉のぼりの子供達が取り合いっ子して遊ぶのは人間達にあまり知られていない。父のぼりと母のぼりは子らの無垢な様子に口を大きくあけて笑いあっている。

「届いた!うふふ、私の勝ち〜♪」

どうやら今年も姉のぼりが先に星へ届いたようだ。べそをかきながら悔しがる弟のぼりの頭を母のぼりが尾っぽで優しく撫でてなだめる。

「大丈夫よ、お星さまならまだあるのだから。ほら、あっちに…」

「そうだぞ!よし、皆で泳いで行こうか!!」

父のぼりと母のぼりが丸く大きな目で見つめる先には、青いお星さまが揺れるように沢山光っていた。

私も後から知ったのだが、あれは矢車草というお花なんだってね。
ファンタジー
公開:24/05/08 12:00
私のこどもの日は終わらない 矢車草の矢車って鯉のぼりの 矢車からきてるって見かけた!

ネモフィラ(花笑みの旅人)( 気の向くまま )

いつもご訪問ありがとうございます!
元:ネモフィラは咲うです。大原さやかさんのラジオ「月の音色」では、ペンネーム:花笑みの旅人として投稿しております。

物語を読んでくださったうちのどなたか一人にでも笑顔になってもらえたら嬉しいなぁ…くらいの感覚で書いてみることにしてみました。
日常と街灯をこよなく愛し、現在十分な睡眠を必要としている気まぐれな旅人です笑

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